Archive for the ‘ハワイの虫’ Category

ハロウィーンにはやっぱり巨大クモ

木曜日, 10月 21st, 2010

ハロウィーンの飾り、ではなく、本物のクモの巣です。(ジャングルハイキングツアーにて)

ハロウィーンがもうそろそろやってきます。ホノルル市内の住宅では、家の玄関やラナイをハロウィーンオーナメントで飾っている家も多いです。定番の飾りはやはり、巨大クモ!

ハワイの大きくて、黒いクモ、ハワイアンウルフスパイダー(日本語でコモリグモ)。溶岩大地にぴったりの保護色。(ケアウホウトレイルにて)

大きくて黒いクモはハワイにいるのでしょうか?答えは「はい」。何種類かいます。ハワイには227種類以上のクモがいます。その中で154種類は固有種、つまり、ハワイにしかいないものです。固有種で大きくて黒いものがハワイの溶岩大地に生息するウルフ・スパイダーです。直訳はオオカミグモです。(Lycosa species)このクモは巣を作らないで、歩き回ったり、待ち伏せしたりしてオオカミのように獲物を穫ることでその名前が付けられたのでしょう。それからオオカミのように毛が生えているということもあるかもしれませんね。怖そうに見えますが、毒はあまり強くないです。

ハワイのウルフスパイダー。よく見ると卵袋を抱えています。糸でお腹にくっつけるそうです。(ナーパウトレイルにて)

ウルフスパイダーの日本語名はコモリグモです。卵袋を体の下につけて、いつも守っています。産卵したら、子供達が背中に乗って、一月ほどお母さんに育てられます。ハワイのウルフスパイダー/コモリグモはいろいろな種類があり、高山の溶岩大地から洞窟まで生息範囲の広いものです。(洞窟のものは半分視力が退化しています。)

ハッピーフェーススパイダー。まるでにっこりマークが背中に付いているようです。(写真:James Yuen)

ハワイには、怖いクモの反対、とても可愛いクモもいます。固有種のハッピーフェーススパイダーです。背中にまるで「笑っている顔」が書かれているように見えるクモです。(このいわゆる「ニッコリマークグモ」の本当の顔は特に可愛いわけではありません。)これは可愛すぎて、よいハロウィーンオーナメントになりませんね。ちなみにクモのハワイ語総称は「ラナラナ」です。

ハッピーフェーススパイダー(写真:James Yuen)

ハッピーフェーススパイダーTシャツ。ハッピーフェーススパイダーの写真を提供してくれた友達、James Yuenの息子さんにあげました。お父さんみたいに虫に詳しくなるといいですね。

ハワイの独特な昆虫の世界のことをもっと知りたい方は、この本がお勧めです。ハワイの昆虫研究にはまだまだ研究余地があるそうです。

赤とんぼ

水曜日, 10月 20th, 2010

季節感をこもった日本の絵はがきは素敵ですね。

先日お客様からお礼の絵はがきをいただきました。その絵はがきには赤とんぼが描かれています。季節感に敏感な日本の方は、こうして季節にあった葉書を用意する気遣いをされるのですね。しかし、お恥ずかしいことに、この赤とんぼを見て、赤とんぼが日本の秋を象徴するものだということを、日本人の妻に言われて初めて知りました。生まれ育ちが常夏のハワイの僕にはもったいない気遣いになってしまったかもしれません。大変勉強になりました。日本の文化は深いですね。

ハワイの固有種の赤とんぼ(厳密にいうと川トンボ)。カウアイ島に固有種にも赤いものがいくつかありますが、これはどれかちょっとわかりません。(カウアイ島、アラカイ湿原にて)

ハワイの季節は大きくいうと二つしかありません。乾期と雨期です。それも日本の四季と違って、はっきりした季節の変化を感じさせられるものではありません。

季節の変化はそれほどはっきりしないハワイですが、トンボはいろいろいます。ハワイに40種類のトンボ/川トンボがいるとされ、そのうちの32種類はハワイ固有種のものです。2種類は原生のものです。残りの6種類は外来種です。

ハワイ固有種の赤い川トンボ。(カウアイ島、アラカイ湿原にて)

ハワイにも赤とんぼがいます。赤とんぼが多く発生する季節というものはないようです。どちらかというと雨の多い島の風上側と山方面で年中見られるものです。固有種の赤とんぼも多いです。ハワイ語で「ピナオ・ウラ」といいます。「ピナオ」はトンボまたは川トンボ、「ウラ」は赤という意味です。

これは恐らく外来のトンボですが、ちょっとわかりません。Roseate skimmer? Chinese dragonfly? ワイピオ渓谷で撮った写真です。水位海抜に近い標高ですが、ハワイ固有種のトンボと川トンボはどちらかというともっと標高高いところにいるそうです。

アラカイ湿原で見つけたヤゴです。どんなトンボになったのでしょうか。

オアフ島固有種のバッタBanza Parvula

月曜日, 11月 16th, 2009

バッタ目/キリギリス科/バンザ属のBanza Parvula

バッタ目/キリギリス科/バンザ属のBanza Parvula

ジャングルハイキングツアーやマノア滝ハイキングツアーをガイドしていると、バッタやコウロギが鳴いているのが聞こえてきます。先日「大きな鳴声」を意味するバンザ族のウマオイの撮影ができました。

ウマオイはバッタ目、キリギリス科。このウマオイはオアフ島固有種です。バンザパルヴウラといいます。

奇跡的に地球の最も隔絶されたハワイにやってきた生き物が独特な進化を遂げている現象がよく研究されています。数少ない鳥が種分化して、さまざまミツスイ野鳥に進化したというのが最も知られている例ですが、ハワイの昆虫の世界でもこの進化がよくあります。

ハワイにはハワイ固有種のバッタ目の虫は259種もあるとされています。これはアメリカ本土の数の倍以上です。その259種類のうち11種類ほどがウマオイです。ウマオイの殆どは一つの島のものです。オアフ島の固有種のウマオイは2種類あると見なされています。その一つがこのバンザパルヴウラです。

バッタ目/キリギリス科/バンザ属のBanza Parvula

バッタ目/キリギリス科/バンザ属のBanza Parvula

ウマオイはカホオラヴェを除いてハワイのハイアイランズ(ハワイの小さな島で成り立っている北西諸島ではなく、人が住んでいる、高い山のある主な諸島のこと)それぞれに2〜3種類、その島だけのウマオイがいます。乾燥地帯と熱帯地帯にも対応して生息しているものがいます。その11種類の第一先祖は恐らく同じものだと考えられています。その先祖が恐らくカウアイ島に到着し、オアフ島、マウイ島、ハワイ島へと進化しながら新しく海から現われた火山の島に渡って広がったと思われています。