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ハワイの鳥:イイヴィ

日曜日, 5月 9th, 2010

イイヴィは天敵の猛禽類やフクロウから身を隠すために好物のオーヒアの花に似た色に進化したという説があります。(マウイ島のパリクーにて)

ハワイの州鳥はカナダガンの仲間であるネネですが、イイヴィに変えようという声がたくさんあります。確かにネネよりイイヴィの方が色といい、細長い嘴といい、ハワイを象徴するエキゾチックな鳥です。

イイヴィとオヒーアの木の花。花のことを「レフア」と言います。(ハレヴァイ小屋近くにて)

イイヴィ(Vestiaria coccinea)はハワイの固有種、ミツスイ野鳥です。(日本名: ベニハワイミツスイ)メジロより少し大きい鳥です。ハワイ島、マウイ島、カウアイ島の1000m以上の原生林に生息しています。オアフ島とモロカイ島のイイヴィの個体数は少なく、ハワイ州が絶滅危機種に指定しています。どの島でもこの鳥を見るには時間と忍耐力が必要とされます。かなり山奥へ行かないと見ることができません。

イイヴィの若鳥。グリーン色の羽が多いです。(アイナポートレイルにて)

イイヴィはよくオーヒアの森の梢にいて花から花へ蜜を吸います。木の上にいるので観察が難しいです。尾根に登ったりして、とにかくオーヒアの木を見下ろす角度から見つけなければなりません。

イイヴィが唯一下へおりてきてくれるのはオーハーヴァイやコリイなどという管状の花、またはハワイ固有種のラズベリーの花が咲いている時だけです。そのような植物が咲いているところで、がんばって長期戦で待つといいかもしれません。数年前に仕事をしたNHKのドキュメンタリーの撮影時にそうやって画期的な映像を撮ることに成功しました。

イイヴィがオーヒアレフアの花の蜜を吸っているところ。(アイナポートレイルにて)

そのNHKの番組では、イイヴィの繁殖の様子が詳しく紹介されました。地元のバーダーの協力を得て、イイヴィの巣を見つけてもらい、巣を何週間も撮影しました。イイヴィに興味のある方はぜひビデオを借りてみてください。番組はNHKの自然記録番組「地球ふしぎ大自然/世界一雨が多い大湿地/カウアイ島のアラカイ湿原」です。撮影やミツスイ野鳥についての以前のブログはここをどうぞ。

ミツスイ野鳥ですが、虫も食べます。イイヴィなどのミツスイ野鳥は、花や枝にとまり、葉の下を覗き、虫がいればパクって食べます。イイヴィは臆病なイメージがありますが、巣の近くに他の鳥がくるとイイヴィが積極的に自分の縄張りを守り、その鳥を追い払うのを何度か見たことがあります。

イイヴィの舌は長いです。そして舌の先がちょっと割れています。割れているので蜜が能率よく吸うことができます。

イイヴィの羽はハワイアンの羽毛工芸細工によく使われました。王族のマントやヘルメット、またフェザーレイでよく使われました。(赤は王族の色です。)どのようにハワイアンがこの鳥を獲っていたのかは以前のブログへどうぞ。

ビショップ博物館に行くと、ハワイアンの本物のフェザーワークの展示物をいろいろと見ることができます。

イイヴィはハワイアンの伝説やチャント(古謡)にもよく歌われています。「イイヴィ」の名前の他にもいろいろな詩的な呼び方もあります。やはり、イイヴィはハワイ州の鳥にふさわしい鳥だと思います。