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オーハーヴァイの花が咲き出しました!

水曜日, 5月 12th, 2010

ジャングルハイキングツアーでハワイ固有種キキョウ科の花が咲き出しました。これはキキョウ科Clermontia(属) kakeana(種)、ハワイ語でオーハーヴァイと言います。

ハワイにはキキョウ科の固有種が126種類以上あります。その全てがたった一つの先祖から進化したと思われています。先祖の種が鳥にハワイまで運ばれ、ハワイのいろいろな生態系に対応しながら広がり長い年月を経て、海岸のもの、乾燥地帯のもの、熱帯雨林のもの、高地のものと様々な形に種分化しました。いわゆる「植物の適応放散的種分化」というプロセスです。

今Clermontia oblongifolia(ハワイ語でオーハーヴァイ)の蕾がたくさん出ています。少しずつ咲いていますが、ピークはまだまだです。(ジャングルハイキングツアーにて)

このハワイキキョウの総称はロベリオイドといいます。ロベリオイドの種類は豊富になりましたが、どれも共通点がもちろんあります。一つは花です。花はどれも細く、ラッパ型です。日本のキキョウに似ていますか?

Clermontia oblongifoliaの花。(ジャングルハイキングツアーにて)

ハワイ固有種のキキョウ科の植物は6種類の属に分かれています。

キキョウ科(Campanulaceae)

ロベリオイドグループ

Brighamia属(ブリガミア)

Clermontia属(クレアモンチア)

Cyanea属(サイヤネア)

Delissiea属(デリシエア)

Lobelia属(ロベリア)

Trematolobelia属(トレマトロベリア)

(126種類の植物のうち何種類かは既に全滅したとされています。)

Clermontia kakeanaの花はよく二本ずつ咲きます。(ジャングルハイキングツアーにて)

ジャングルハイキングツアーでは、その固有種のキキョウが三種類見られます。今その内の二つが咲き出しました。一つはClermontia kakeana、もう一つはClermontia oblongifoliaです。両方のハワイ語名はオーハーヴァイです。(今咲いていませんが、Cyanea angustifoliaというものもあります。)

ジャングルハイキングツアーの登山道には、イノシシを排除するための柵がありますが、その柵はこのよう珍しい植物を守るためのものです。棘も毒もないこれらの植物は外来のイノシシなどに食べられてしまいます。ネズミも問題になっています。(柵についてはここここここをどうぞ。)

ロベリオイドの受粉をするのは蛾やミツスイ野鳥です。このブログで紹介しているオーハーヴァイはミツスイが受粉役を果たします。植物と鳥が一緒に進化して、長い花の底に溜まる蜜を吸えるように、長い嘴が進化したイイヴィ(ベニハワイミツスイ)の話はここへどうぞ。

オーハーヴァイの花から蜜が垂れていました。本来ミツスイ野鳥が飲んでいるはずですが・・・

オーハーヴァイが出す蜜はすごいものです。先日のツアーでオーハーヴァイを見た時、花の下にある葉に蜜が垂れていました。もったいないです。残念ながらミツスイ野鳥の個体数が少なくなっていて、この植物の数も少なくなっているのでミツスイはこの花の蜜の吸い方を忘れているようです。せっかく鳥と植物が一緒に進化したのに。

花の下にティーリーフを置いたらこんなに蜜がでてきました。ちょっと試食したところ、皆さんの感想は「砂糖水みたい」。

余談ですが、日本のメジロがハワイに帰化していて、数も非常に多いです。(メジロについてはここここ)メジロがオーハーヴァイの花の下に穴を開けて蜜を吸うのを見たことがあります。頭のいい鳥ですが、オーハーヴァイの受粉はしません。ミツスイ野鳥は花の中に長い嘴を突っ込むと、おしべが額にあたり、そこに花粉がつきます。次の花の蜜を吸いにいき、そこで受粉の役割を果たします。下から穴をあけて蜜を吸うメジロは受粉できません。

イノシシやネズミの害、受粉してくれる鳥や蛾の減少、ロベリオイドが直面している問題はたくさんあります。

(ハワイアンキルトを作る方をよくジャングルハイキングツアーでご案内しています。オーハーヴァイのキルトを作ってみたらいかがですか?とおススメしていますが、もしどなたか作られたらぜひ写真を送ってください!)