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オピヒは命がけのごちそう

金曜日, 10月 8th, 2010

ハワイアン先住民の伝統的な食べ物オピヒ。採るには命がけ。従ってお値段も相当なもの。

“Opihi picker’s body found off coast” 「オピヒ採りで死亡者。沖で水死体で発見」ハワイの新聞によく見かける見出しです。この見出しは今週のアドバタイザー・スターブリティンから引用しました。先週またオピヒの犠牲者がでました。具体的な統計は持っていませんが、大体毎年3人以上のオピヒをとっている際の死亡事故が起きているのではないかと思います。

オピヒは荒い波の岩場にくっついているカサガイです。波が引くと吸盤をゆるめるのでその瞬間を狙って岩から剥がして採ります。

オピヒはハワイ固有種の貝です。カサガイの仲間で、ハワイには三種類あります。祖先は日本のものだと言われています。ハワイアン先住民にとってオピヒは大切なタンパク源でした。海辺にオピヒの貝塚が発掘されています。マウナケアの3400m付近の洞窟でオピヒの貝を見つけたことがあります。ハワイアンがオピヒの貝殻を道具にしていました。地元人のルアウにも欠かせないごちそうです。Ono Hawaiian Foodのようなハワイアン料理のレストランの定番メニューです。

採りたてのものをその場で生というか、生きている状態で食べるのもいいですよ。コリコリして美味しいです。ご飯にのせて、しょう油とネギをかけた「オピヒ丼」も最高です。

オピヒの生息場所は荒い岩場です。大きな吸盤で岩にくっ付いていて、傘のような形で上手に強い波を避けられるようになっています。オピヒを採るには波に注意しながらタイミングよくさっと波が引いた後に滑りやすい、立ちにくい岩にはいつくばって、すっとナイフかスポーンをオピヒの貝と岩の間に差し入れて採り、次の波が寄せてくる前に逃げ出す、というやり方です。タイミングを逃すと波に叩きつけられ怪我したり、波にさらされて流され、溺死してしまいます。オピヒは本当に命がけのごちそうです。

命がけのオピヒですが、個体数がかなり減ってしまっています。一番大きな原因は採り過ぎです。オアフ島ではめったにみないオピヒ。見つけてもとても小さいです。絶滅危機種ほどではありませんが、ハワイ州がここ数年オピヒの乱獲を防ぐ案をいろいろと練っています。販売を禁じること、no take(採取を禁じる)区域を設定することなどが考えられています。

僕たちがオピヒを採る時はかたっぱしから同じ場所でとるのではなく、三つ目に見つけたものだけを採ります。特に大きなものは成熟していて、繁殖がよくできるので採りません。法律上、幅3.2センチ以上のオピヒ(貝の部分を計り)しか採れませんが、その大きさにやっと成長したものは繁殖できるようになったばかりの大きさだと言われています。ですので、最低採取していい大きさの基準をもっと大きくしないといけないという声もあります。(吸盤の幅、最低1.3センチという規定もあります。)しかし、ハワイアンの伝統的なごちそうですので当局も慎重に動いていて、また決着がついていません。

これらの写真は僕の好きなシークレット・オピヒ・スポット。(ハワイ島にて)