Archive for 11月 12th, 2010

ハワイ唯一の食虫植物/ミキナロ

金曜日, 11月 12th, 2010

滑稽な形をしているミキナロの葉は死の罠!

ハワイで唯一の食虫植物はハワイ語でMikinaloと言います。ミキは吸う、ナロは蠅という意味です。蠅の命を吸い込む植物。ハワイアンの自然観察力はやはりすごいものです。

学名はDrosera anglicaです。ミキナロナは北海道にも生えているそうです。日本語名はナガバノモウセンゴケだそうです。北海道とハワイに同じ植物があるなんて、不思議ですね。ハワイはミキナロが生える最も南に位置している生態系です。

ミキナロはどちらかというと北海道やアラスカなどの北の国でよく生えています。寒いところがいいわけです。ハワイにいるものはやはり、寒い標高の高い場所です。アラスカでもハワイでも沼地などの環境を好みます。ハワイでは主にカウアイ島の標高1200mのアラカイ湿原で見られます。

ミキナロは湿原を好む植物です。これらの写真は全てカウアイ島のアラカイ湿原で撮ったものです。

遠いアラスカとハワイを結ぶのは渡り鳥です。僕たちAAEのスタッフによく登場するコレア(ムナグロ)です。コレアはアラスカやシベリアという北極圏で繁殖しますが、寒いアラスカの冬の間はハワイを過ごします。恐らくミキナロの種はコレアの足や羽に付いてハワイまで運ばれたでしょう。コレアについてはここここ

ミキナロの葉には赤い毛のようなものがたくさん生え、その先にべたべたする液体が付いています。その液体の甘い匂いで、小蠅などの小さい虫を引き寄せます。虫がくっ付いていたら、その葉を虫の回りに丸めて締まり、もう逃げることができません。その赤い毛が虫の淡白を吸収します。虫を獲って数日後にはその虫の殻しか残りません。御馳走さまです。

ちょっとわかりにくいのですが、写真の右側がミキナロが小蠅を溶かし、少しずつ食べているところです。

僕がミキナロを初めて、見たのはNHKの地球不思議大自然の撮影の時でした。番組のコーディネーターとガイドを行いました。その時友人である、昆虫学者のモンゴメリー先生にコンサルタントをしてもらいました。番組の撮影の殆どは地球で雨が最も多く降るアラカイ湿原でされました。毎日雨に降られましたが、ミキナロのような面白い生き物にも出会えて、そしてモンゴメリー先生の素晴らしいレクチャーも聞けて、幸せでした。大変勉強になりました。

ハワイ版「リトル・ショップ・オブ・ホラー」?(アラカイ湿原にて)